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グララァガァ

木, 2018-05-10 11:06 | saposute

親愛なる皆さま、おはようございます。

次のブログは夏くらいでいいかなーと気楽に構えていたのですが、抜き差しならない(のっぴきならない?)事情で慌てて更新しています。

先日、とある新聞記者さんのインタビューにお答えした内容が、今朝記事になっていました。

記事の見出しは ~『働きたい』子を阻む親~ で、

・生活の苦しい母子世帯の子ども(Aさん)を松田がサポートしている
・Aさんが働くと生活保護費が減るので母親はアルバイトに反対する
・母親の反対に負けずに頑張るも、現状から抜け出せないAさん
・親が子どもの自立を阻む社会構造について松田がコメントする

といった感じです。

おそらく、深く考えずに今朝の新聞を読んだ人の多くは、こんな感想を抱くんじゃないかと思います。

「かわいそうな子だな」

「なんてけしからん親なんだ」

「松田って人は立派だねぇ」

これらは、私が取材をお受けしたときに「くれぐれもこういう印象の記事にはしないでくださいね」とお願いしたものです。

(記者さんにも文字数の制限があって、どうしても「分かりやすい構図」にせざるを得ないのは理解しているので、決してこのブログは新聞記事への抗議ではありません、ただの補足です)

ところで、よくSNSなんかには、犯罪者や政治家、教育や社会を「オレ流に斬る」みたいな書き込みが溢れています。

私はたいてい「立派でカッコ悪いなぁ」と思って眺めているのですが、今回の新聞記事に出てくる私は、私から見てとっても立派でカッコ悪く、このままだとずっと待っている次のモテ期が来なくなってしまいます。

ということで記事を補足しますが、生活困窮世帯、特にひとり親世帯のおかれている状況を私は「サーカスの象」の逸話のようなものだと感じています。

幼いころから鎖につながれた象は「この鎖は引きちぎれない」と思い込んで育つので、いつしか鎖を上回るパワーを持った成象になっても、鎖をちぎって逃げ出そうという発想自体が浮かばない。

というような話です。たぶん。

松田画伯によるとこんな感じ。

ひとり親世帯の親はサーカスの親方(鎖)に、子どもは象に例えられます。

「どうせ自立はムリ」と言われたり感じたりしながら育った若者が、いつまでも実家から出ようとしない、という構図ですね。

これを見て、立派でカッコ悪い人たちは「親方が酷い!」とか「いやいや象にも責任あるでしょ」とか「象にもキャリア教育を!文科省は何をしてるんだ!」とか言うわけです。

でも、ちょっと待って。

親方は、象をサーカスでこきつかって、自分だけ幸せになろうとしてますか?

サーカスで稼いだお金は、自分の食費よりも象のエサ代に多く使ってないですか?

親方が象を野生に帰してあげたあと、一人でピエロを演じているようなサーカス団が、果たして存続できますか?

逃げ出した象が路頭に迷っていたら、皆さん自分の家から野菜を持ってきてあげますか?

そんなことを考えていくと、親方も象も「自分たちが生き延びるために」一緒に暮らすしか方法がないことが分かります。

親方は親方のやりたいことをして、象は象の生きたい場所で、それぞれが自由に生きる(自立する)ことを阻む、見えない鎖があるわけです。

もし私たちやメディアが外野から「オレ流に斬りたい」のなら、その対象は親方や象、象をつなぐ鎖ではありません。

斬るべきは、親方と象がセットでしか生きていけないように閉じ込めている、見えない鎖の方なのです。

・・・このまま書き続けて、日本の家族制度や生活保護の仕組みへの批判を語りだすと、立派でカッコ悪いブログになるのでそろそろやめます。

そういう制度を変えていくのは偉い人に考えてもらうとして、私はせめて親方と象への「まなざし」を変えなくてはいけないし、皆さんにも変えてもらえるような発信をしないとなりません。

新聞の取材をお受けしたのも、そのためでした。

親方も象も、それぞれがそれぞれの人生(象生?)を生きられますように。

スタッフ 松田考