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ボツ、のち晴れ

木, 2012-05-31 19:33 | saposute

更新を待ってくださっているモノ好きな読者の皆様、お待たせいたしました!
しっかり下着を洗って出直しました、松田です。

「おいおい、こいつはオモラシでもしたのか?」と思った方、前回のブログをおさらいお願いします。

おさらいついでに前回のブログでは、TV取材のことを書きましたが、皆さん放送はご覧頂きましたでしょうか?私は男前に映ってました?

・・・観た方、いないですよね?

実は先週私もこのことを思い出して、取材に来られたテレビ局の方に「そういえば放送はいつ頃ですか?もう終わってましたっけ?」とメールをしたのですが、返ってきた答えは「すみません、放送では松田さんのシーンは使われないことになりました」ということでした・・・。

若者のホームレス問題を掘り下げるにあたって、やはりうちのセンターはちょっと趣旨が違うという判断になったようです。
いや、だから最初にそう言って私も断ったのに、結果的に私がフラレたみたいです。調子に乗ってブログにも書いたのに恥ずかしいですよ、全くもう!

でもまぁ、考えようによっては、誤解を受けるような伝わり方をしてしまうくらいならボツになって良かった気もしますし、ホッとしたようなガッカリしたような気分です。

さて、気を取り直して、今日あったできごとを。

今日は何と、札幌市長が視察に来られました。「お忍びで来たわけじゃない」とのことでしたので、バラしちゃいました。大丈夫かな?
私はイチ民間人ですが、若者支援総合センターは公設民営なので、市長と意見を交わす機会を頂けたのです。市長直々に若者支援の分野に関心を持っていただけるなんて、本当にありがたいことです。

こうして自分が公的サービスに携わっているのを実感するたびに、私は13年前に東京の建設会社を退職したときのことを思い出します。(ここからは、松田の回想シーンです。いつにも増してワタクシゴトになるので、暇で暇でどうしようもない方と、松田のことを好きで好きでどうしようもない方のみ、ご覧ください)

当時の私は、会社勤めをしながら通信制の大学で教員免許の勉強をしていたのですが、あとは教育実習だけというところまで来たので、課長に相談をしました。
その課長はなぜか私のことをとても可愛がってくれていたので「いずれは人と接する仕事に転職したい」という思いは前々から伝えてあったのですが、いよいよ実行に移したいという相談を切りだしたわけです。

場所を神楽坂の居酒屋に移して、私が「免許を取ったら、学校の先生ではなく、フリースクールのような仕事がしたいと思っています」とお伝えしたときの課長の一言は、今でも忘れられません。

「お前は、人の不幸でメシを食うのか?」と。

非難するというよりも、こちらを試すような課長の眼差しに、私は頭が真っ白になって「人の不幸ではなく社会全体の不幸でメシを食いたいと思っています。不登校は個人の問題ではなく社会全体の問題でありまして・・個人の不幸であると同時に社会の不幸でもあり・・・つきましては・・・ゴニョゴニョ」と、しどろもどろです。

いまにして思えば、何も知らない若造の戯言なのですが、課長はそれをちゃんと聞いてくれました。そして、しばらく黙ったあと「・・・そうか、わかった。それは大事なことだな。じゃあ、困っている本人やご家族からはお金をもらわないで、公共事業としてやれるように頑張りなさい。そのためには、社会全体にお前のやろうとしている仕事を認められるようにならないとダメだぞ。」とエールを下さったのです。

前の会社は、港や道路を造っていましたので、「俺たちの仕事は地図に残るんだぞ」とか「国が発注者ってことは、この港は国民が必要としているということなんだ」というようなことを飲み会のたびに聞かされていましたが、それと同じように「社会に必要と認められる仕事をしなさい」という課長のメッセージは、今でも私の指針になっています。

今の職場に移って最初の数年は、プライベートの時間にフリースクールでボランティアをさせて頂いたりしながら、どうすれば課長の言葉に応えることができるかを、ずっと考えていました。

そうした時期を経て、幸いにもいろいろな出会いや偶然のおかげで、今は利用者さんからお金を頂かずに相談をお受けするのが私の仕事になりました。
公設のセンターに勤務していることで、こうして市長にもお会いできましたし、いろんなところから「札幌市における若者支援」といったテーマで講演をする役目を頂いたりもします。

こうやって書くと、公的な取り組みが優れていると言っているように誤解されてしまうかも知れませんが、もちろんそうではありません。
むしろ、これは民間のフリースクール等でボランティアをさせて頂いていた頃から感じていることですが、公的なお金をあてにせずに自らの実践によって支援の場を作り出している方々には、私は逆立ちしてもかないません。

もしかしたら、課長は私に自ら団体を立ち上げるだけの度量も力量もないことを見越して、遠まわしにアドバイスしてくれたのかも知れません。なんて、さすがにそれは深読みだと思いますが、いずれにしても課長の言葉には今でも感謝しています。

以上、自力で設計図を描く力の無かった私が、課長に与えられた「利用者さんから直接お金をいただかない」というミッションに導かれて、気がついたら13年が経って、今日があるんだなぁという個人的な感慨でした。

去年、その課長とお酒を飲む機会があったのでそんな話をしたら「俺、そんなこと言ったかなぁ」なんて仰ってましたけどね。

さてさて、昔話はこれくらいにして、6月も頑張っていきたいと思います!

スタッフ 松田考